Lightning/ストレイテナー(STRAIGHTENER)〜AIrwalker/ent 音楽レビュー其の20~21
ストレイテナー(STRAIGHTENER)は、98年に結成された日本のオルタナティヴ・ロックバンドです。
バンド名の意味は「真っ直ぐにする人」とのことです。
このバンドは、初期と現在では全く別のバンドの様な音楽をきかせてくれます。
初期はギター主体の「直球の音」を出すバンドでした。(バンド名通り)
まさに「初期衝動」を感じる音だったのですが、パンクとはやや趣が違います。
内省的な歌声や歌詞の世界観からわかる様に、
「部屋でギターを爪弾く楽器好きの物静かなお兄さん」
というかんじで「粗野なバリバリのロッカー」とはまるで違うですよね。
この繊細な感性で紡ぎあげる音楽に、魅せられたリスナーが多いのもうなずけます。
元々はギターとドラムの2名体制のバンドだったんですが、一人また一人とメンバーが集まり4人体制になって落ち着きました。
メンバーが増えるごとに音楽性に深みが出ていきました。
ギターをかき鳴らされるシンプルなスタイルから、ファンクやロックンロール、ピアノロック、エレクトロニカ、アンビエントまで様々な音楽を操るように。
元々に繊細で奥深かったホリエアツシさんの音楽・詞をより活かすバンドへと進化しました。
私は断然4人編成になってからのストレイテナーが好きです。
今回紹介する「Lightning」は4人編成になった直後の楽曲です。電子音が全体を支配する奥ゆかしいサウンドが魅力的な楽曲ですので是非ご視聴してみてください。
繊細なタッチの絵本をみている様な、美しいMVが印象的です。
「棄てられて穴の開いたテレビ」「音のしない時計」「輝かない星」など、「死」を連想するワード。
「少しくらい休みたい」「今夜くらい眠りたい」など、一時の安息と再生。即ち「生まれ変わり」を連想するワード。
勝手に「輪廻転生」を 連想しました。ギターの音は控えめな効果音として使われ、ジャカジャカとかき鳴らしていた頃とは別バンドの様です。 輪郭がボンヤリしていて、 それでいて美しいサウンド 。生気の抜けたような 無機質な「歌唱」。 聴くといつも 心地よい「脱力感」 に襲わます。
ちなみにこの曲の音楽性は、ホリエアツシさんのソロプロジェクト「ent」に継承されさらに進化してますので、気に入った方はこちらもどうぞ。