BLACK FLYS/NICOTINE 音楽レビュー其の26
日本のメロディックパンクバンドNICOTINEを紹介します。
私が高校~大学時代の2000年前後は、国内のパンクロックシーンがバズっていました。
洋楽パンクから大きく影響を受けた、ストリート色の強い「メロディックパンク勢」と、荒々しいパンクサウンドをベースに、青臭い・泥臭い・しょっぱい歌詞を、声高らかに歌い上げる「青春パンク勢」が存在していました。
私はどちらかと言うと「メロディックパンク」を好んで聴いていたのです。
パンクロックの起源は古く、1970年半ばくらいからスタートしています。
メロディックパンクに興味を持ったことから、源流に有る古いパンクも聴いてみる機会があったのですが、すぐに閉じてしまいました。
「うん、これは全く別物ですね。」
初期のパンクは、演奏やメロディは結構でたらめなのですが尖りまくっている。
(あくまで自分のきいたピストルズをもとに語っています。)
反体制的な思想を訴える方法が、たまたま音楽であったみたいな印象です。
リスナーにグッドメロディを届けるなどは二の次。自分のアティチュードを音楽と言うフィルターにとおして、表現しているのです。
一方メロディックパンクは、文字通りメロディがしっかり立っていますし、ポップ・キャッチー、耳触りがかなり良いです。疾走感のある曲も多くて、聴いていて心地よいんです。
気持ちよく聴けるっていう事を、かなり意識されているのかなと思っています。反面、本来のパンク的な思想は薄いバンドも多かったと思います。
これはもうどちらが優れているとか、劣っているとかとかそういう問題じゃなく、好みの問題です。
私には「メロディックパンクがなじむ」それだけの事ですね。
前置きが長くなりましたが、「NICOTINE」と言うバンドは、「HI-STANDARD」と共にパンクシーンを盛り上げたバンドです。海外でも活動し、人気を獲得した実績のあるレジェンド的存在です。
カラッとしていて陽気な雰囲気ながらも激しい「西海岸パンク」の影響を強く感じます。
そんな彼らの楽曲の中から「BLACK FLYS」をご紹介します。
視聴はこちら!!
非常にスピード感があってスリリングな楽曲でありながらも、歌メロのキャッチ―さ、ポップさは数ある、メロディックパンクバンドのなかでも頭一つ抜けている印象が有ります。
もう一つ特徴的なのが、耳に残るツインリードギターのフレーズです。
当時、派手派手なツインリードギターが主張しまくるのも、パンクロックバンドでは珍しかった記憶が有ります。
しかしこの楽曲、2010年に再録されていたことを知りませんでした。音も分厚く当時の勢いそのままに、かっこいい楽曲を聞かせてくれたメンバーに敬礼!!
2010年verはこちらで視聴できます。オリジナルと聴き比べて見ても楽しいですよ。