AFTER LIGHT/HYDE 音楽レビュー其の43
L’Arc~en~cielの不動のフロントマンであり、カリスマヴォーカリストHYDEさんのソロプロジェクトの中から、特に好きな一曲をご紹介します。
2000年初頭にソロデビューされ、50歳を超えた今尚精力的に活動している、バリバリのロッカーです。
ラルクの印象が強すぎてソロでは、HYDEさんがどんな音楽をされているかはいまいちわからないという方もいるかと思いますのでちょっと説明。
2001年に「静」をテーマにソロプロジェクトスタートし、翌年に発売されたアルバム「ROENTGEN」が最も多くのリスナーに届いたアルバムではないかと思います。「静」がテーマなだけに、スローでメロウなナンバーがずらり並ぶアルバムでした。
これはこれで、めちゃくちゃ良かったのですが、激しい音楽が好きな自分としては、「ずっと、この方向性ですすむのかな・・」とやや複雑でした。
そんな懸念を吹き飛ばすかのように、2ndアルバム「666」は動的な音楽にふりっておりました。
というか「666」以降の作品に関しては、どれもラウドでダークな音楽に傾倒しているんですよね・・・。
もともと彼はメタルやハードロックを好んで聴かれるようなので、「ROENTGEN」の方がむしろ「異端な作品」だったのですよね。
しかし2006年にソロ活動を休止し、12年間「VAMPS」というバンドプロジェクトで精力的に活動していました。
「VAMPS」は、HYDEさんのソロプロジェクトの音楽の延長線上にありつつ、相方のKAZさん(Oblivion Dust)のカラーや、「ホラー・ゴシック」といったコンセプトを絡めて独自性を出していきました。(2017年にVAMPS休止)
2018年にHYDEさんのソロプロジェクトは再始動、2枚目のシングルがこちらの「AFTER LIGHT」です。正直ビビりました。
見所はいつものHYDEさんの印象とはかけ離れた「衝撃のビジュアル」です。
悪魔のようなグロテスクなヘアメイクで登場するHYDEさんです。一度このMVを観ると、度々登場する蛍光塗料の強烈なカラーが脳裏に焼きついちゃうほど強烈です。
初期の楽曲より、さらにラウドな音像がよりくっきりとした印象です。また、モダンなエレクトロ・シンセが楽曲に対し、効果的に彩りを加えております。
サポートメンバーに名ギタリストPABLOさんを迎えております。
この方は伝説のロックバンド「paymoneytomypain」のギタリストとして活躍し、その後もLISAさんなど名だたるアーティストのサポートを勤め「日本のラウドロックシーンになくてはならない方」だと思っています。(「paymoneytomypain」は別記事で語りたいです。)
正直日本でラウドロックシーンが隆盛を誇っていたのは2010年ごろまでなので、現在この手の音楽は下火と言わざるを得ませんが、HYDEさんのような影響力のあるアーティストがシーンを盛り上げてくれていると思うと、とっても嬉しくなります。
でも、たまに「ROENTGEN」のような「静」を強調したアルバムも発表してくれたらうれしいなと・・・すんません贅沢言いました。では!!