カナリア/al.ni.co 音楽レビュー其の98
どうも!フリーランスライターの大輔です。
今日も元気に音楽レビューやっていきましょう。
本日は日本のロックバンドal.ni.co(アルニコ)を紹介していきます。
al.ni.coって、どんなバンド?
97年に音楽性の違いから脱退した上杉昇と柴崎浩の2名で結成されたロックユニットです。
2001年にはその2人も音楽性の相違で解散しているため、短命のバンドだったと言えます。
WANDSといえばミリオンヒットのシングルを何枚も発表した、90年代を代表するバンドの一つですが、音楽性は初期と後期でかなり違います。
スラムダンクのEDテーマ「世界が終わるまでは」あたりまでのキャッチーでポップなサウンドが、WANDSのパブリックイメージでしょう。
その後、「Same side」や「Worst crime」などのオルタナティブロック色の強いコアな方向性を示したシングルはセールスをぐっと落としていきます。
この辺りの楽曲が本来やりたかった音楽の片鱗とすると、さらにコアな音楽やりたかったに違いない、脱退はある意味自然なものだったのかもしれません。
彼らが本当にやりたい音楽を実現する場がal.ni.coだったのでしょう。
この時期の彼らの音楽が、めちゃくちゃ尖っていて私は大好きです。
カナリアを聴いてみましょう
彼らにとって唯一のフルアルバム「セイレン」に収録されている一曲です。
このアルバムは本当にマニアックで、WANDSのキラキラキャッチーな音楽を期待して聴いた人は唖然とするほどの負のパワーに溢れた世界がただ広がります。
現にブックオフの特価CDコーナーでは、よく投げ売りされているのを見かけます。
ブックオフで投げ売りされる理由は様々ですが、急激な音楽性の転換ポイントにあったアルバムが投げ売りされることはよくあります。
(決して内容が悪いから、290円コーナーにあるわけではありません)
・・話がそれました。この「カナリア」ですが、アルバムの中ではまだキャッチーな位、ちょっと聴いてみましょうか?
怪しげな金管楽器の音とヘヴィなギター音が印象的なイントロから、ダウナーなAメロを経て、カナリアが飛び立つように、突き抜けていくようなサビへと移行する様は爽快です。
柴崎氏のギターは元々大好きだったのですが、フリーキーさが炸裂していますね。
特にインプロゼーション(即興)のようなギターソロはすごく聴きごたえがあります。
本当にエキセントリックでかっこいいバンドでした。(セールスは奮わず。それは理解できる!!)
そして、解散後2人は別の道をそれぞれ進みます。
上杉氏のソロや、柴崎氏とT.M.Rの西川氏が結成したabingdon boys schoolも良いんですけど、私にとってはal.ni.coが一番ですね。