RIVER/10-FEET 音楽レビュー其の36
10-FEETは97年結成のスリーピースロックバンドです。(来年、25周年なんですね)
バンド名はバスケのゴールの高さである「3メートル=10フィート」が由来になっており、「ジャンプしても届きそうで届かない距離」という意味が込められています。
彼らの音楽性はメロディックパンク寄りのミクスチャーロックです。
激しくも「泥臭さ」や「温かみ」を感じる音楽は、今なお新鮮です。「リスナー突き放す刺々しさ」より、「こっちきて一緒に楽しもうや」そんな懐の広さを感じます。
バンドの立ち位置も当時から、個性が光っていました。
メロディックパンクバンドとしてはやや変則的な楽曲が目立ちます。
青春パンクバンドのように「人間臭い」雰囲気を感じつつも、時に洋楽のようにスタイリッシュ。
当時の国内ミクスチャーロックシーンの中では、やけにレゲエの色が強い唄と音楽。
「息の長いバンドというのは、往々にしてオンリーワンのスタイルを確立しているんだよなあ・・・。」としみじみ。
今回紹介するのは彼らの代表曲である「RIVER」です。イントロのディレイギター(エコーのかかったギターの音色)のフレーズを聴いただけでテンションが上がります。それではどうぞ!!
アップテンポでポップながらも、サビのメロディや歌詞が感傷的で、グッときます。このメロディはヴォーカルのTAKUMAさんが六本木の交差点で信号待ちしている時に思いついたのだとか・・。(アーティストが日常の何気ない瞬間に、名曲のアイデアが降りてくるエピソードって結構ありますよね。)
Cメロに差し込まれるレゲエパートも曲の流れを壊すことなく、楽しめます。
メンバーにとってもこの曲は、勝負曲だったようですね。
海外のロックバンドを意識した楽曲を、結成当時から多く発表していたが、この曲で初めて和の雰囲気を打ち出し、結果より多くのリスナーの心に突き刺さったのです。
バンドの可能性を押し広げた、起爆剤になったわけですね。
その後も、ワビサビを抑えた和のメロディとハードなパンクサウンドを高い次元で融合させた名曲をガンガン発表しているバンドなので、気になる方はチェックしてみてください。